ストレス対処とyoga
ストレスと上手におつきあい
【ストレスとホメオスタシスのお話】
「ストレス」とは?
物理的、環境的、感情的、心理的な負荷、刺激により生じます
「ストレス」という言葉は、もとは機械工学の用語で
「物体のゆがんだ状態」を意味します
対してゆがませる要因になるものを「ストレッサー」といいます
この概念をもとに
"心身に様々な刺激を引き起こすもの”を「ストレッサー」
”それによって心身がゆがんでいる状態”を「ストレス状態」
と表すようになりました
「ホメオスタシス」とは?
=「生体の恒常性」
恒常(こうじょう)とは、"一定に保たれること"
つまりホメオスタシスというのは
「環境の変化に身体を適応させ、一定に維持するシステム」
生命を維持する機能のことです
これは私たち生き物に、もともと備わっている機能で
①身体の働きを調節する自律神経
②ホルモン分泌を司る内分泌
③外部から侵入する異物から守る免疫システム
この3つの機能がバランスを保つことで成り立っています
暑いときに汗をかく
くしゃみ・咳なども、ホメオスタシスによるもので
私たちは「ホメオスタシス」のおかげで、外部の環境が変化しても
適応することができます
「ホメオスタシスを維持する自律神経」
自律神経は全ての内臓、全身の血管や分泌腺を支配する神経で
意志とは関係なく身体の機能を調整する役割を担っています
心臓、消化器、呼吸器などが
私たちが意図せずとも動いてくれるのは
自律神経の働きによるものです
自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分かれ
起きて活動している時には「交感神経優位」
リラックス時や眠っている時間に「副交感神経優位」
と、その時々で切り替わっています
車に例えると、この2つの神経は
ブレーキとアクセルのような関係性で
心身を活動的にさせたり
ゆったりと休ませてバランスをとり
私たちの生命を維持しています
「ストレスと自律神経」
適度なストレスは良い刺激になって
私たちの生活にハリを与えてくれます
交感神経を目覚めさせることで
行動力、判断力が高まり活動的になれるので
達成感や爽快感を感じる機会にもなります
ただ、過度なストレス状態・不快感を伴うストレス状態
が続くと副交感神経への切り替えがうまくできず
心と身体を休ませることができません
自律神経のバランスが崩れ
ホメオスタシスにも負荷がかかるので
心身の不調、延いては
病の発症に繋がることがあります
※自律神経が乱れる原因は他に、
不規則な生活習慣や心身の疾患などがありますが
ストレスも含めて、相互作用的に
悪循環を起こしている場合が多いようです
Q.ヨーガはなぜストレス対処に役立つの?

A.アーサナ・呼吸法・瞑想で
“ホリスティック(全体的)”に
自分自身を整えられるから
対処しきれないストレスを感じ続けると
心が揺れ、呼吸が浅くなり、肉体は筋緊張で硬くなります
なんだかよく分からない不調…
それが慢性化すればするほど
ストレス状態にあることに気がつかず
心に感情を
身体に疲労を
溜め込むことになりかねません
ヨーガ療法には
身体と呼吸の動きを合わせて
アイソメトリックの負荷をかける体操があります
(筋肉を伸縮させず一定の姿勢を保ちながら負荷をかける)
緊張と弛緩を繰り返し体感することで
徐々に緊張(ストレス)と弛緩(リラックス)
に気づけるようになっていきます
ご自身の感覚に1つ1つ、丁寧に気がつくことで
「ストレスを感じている自分」も
外側から眺めることができるようになります
(徐々に、徐々に…です)
目の前のことに一瞬飲み込まれそうになっても
「ちょっと外側から見てみようか」
という冷静なもう一人の自分が
だんだん育ってゆく感じです
また、5000年近く伝承されてきたyogaには
優しく、強く生きるための
心の哲学や智慧(心の栄養みたいなもの)があります
瞑想の中では、そのような先人の智慧も
時にシェアしながら
ご自身の「今ここ」を眺めてみます
自分への理解をより深め
ものごとの捉え方に気づいていける方法なので
「ストレッサー」に対しての捉え方も自然と変化します
身体だけでなく、心だけでもなく
”生きていることまるまる”を考え、アプローチできるのが
ヨーガ療法の素敵なところです。